スタッフの言葉
認知症介護で大事にしている理念を思いながら、日常の暮らしについてスタッフと共に話してみました。少しでも利用者さん(仲間)とご家族、そして私たちと一緒に働きたいと思ってる方に伝わればと思っています。
スタッフの言葉インタビュー
夜更かしして11時くらいに起き出してくる人も
- Aさん
私は北さんちに来る前の5年間、50人の入居者がいる特別養護老人ホームに勤務していました。そこから比べると 利用者さんと職員の距離をすぐに縮めやすいのが、北さんちの特徴だと思います。大きな施設だと、どうしても介護が流れ作業的になってしまいます。お話もなかなかできないですしね。 - 北さん
ここだと、みんなが一緒のことをやらなくていいからね。 - Bさん
大きい施設だと、おむつ交換の時間になったら一斉にやりますからね。ところが北さんちは、起床時間もまちまちですから。 -
Aさん
「起きたくない」という人は起きないし。夜更かしして11時くらいに起き出してくる人もいます。 -
Bさん
早い人は4時くらいだし。みんな好きに過ごしてるのです。 -
北さん
自由で良いよね。 -
Bさん
施設全体の人が、「それでいい」と思ってますし。 -
北さん
それで、誰も困ってないから(笑)。
「一緒になって楽しめるタイプの人」求む
- Aさん
あとはやっぱり、笑顔の大切さですね。利用者さんの中で、職員の顔色を伺うような方もいらっしゃるんです。そんな時には、説明はいりません。笑顔で接してあげることで、「ここに居て良いんだ」とわかりますね。 - Bさん
私たちが余裕がなくてバタバタして、怖い顔をしていると、不安になりますから。 - 北さん
認知症になっても、美しいとか楽しいといった感覚的な部分はほとんど残っていますからね。感情は変わらないんです。そこを大切にした日常を送れれば、うまくいくわけです。 -
Aさん
だから、新しく入ってくる職員の人も、利用者さんと一緒になって楽しめるタイプの人がいいと思いますよ。 -
Bさん
レクリエーションの時は、私たちも本気になって遊んでますからね(笑)。認知症のあるなしなんて関係ないですよね。 -
北さん
そこですよ。利用者さんの人格を尊重し、相手と同じ目線に立つというのを、無意識にできる人がありがたいです。
北さんちにはマニュアルがない
- Aさん
あと、私がいた特別養護老人ホームにはマニュアルがあったのですが、北さんちにはマニュアルがないですよね。 - 北さん
ないですよ。 - Aさん
マニュアルがあれば、「何時までにこの仕事をすればよいんだ」ということで、マニュアル優先になっちゃうんです。そうすると、利用者さんが何か言ってても、後回しにしちゃうんですね。
そうすると利用者さんは傷ついてしまいます。 -
Bさん
ここでは、一日の流れや、記録の書き方などの基本ルールはありますが、介護の方法は決まっていませんから。その人その人に合わせて介護を行い、必要なことはカンファレンスで共有していくんです。「今、この利用者さんにやるべきことはこれだ」ということが優先されるべきですよね。利用者本位のなかに答えがあるんです。
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北さん
職員みんながそのようにして、よいところを出し合って連携していくことで、ここでは理想的な介護が追求できていると思いますよ。