有限会社ホワイト介護 北 正美

三重県鈴鹿市「北さんち」
ごあいさつ・理念・介護への思い

私たちは三重県鈴鹿市のデイサービス グループホーム 有限会社ホワイト介護です

私たちは三重県鈴鹿市にある民家・古民家型のデイサービス・認知症グループホーム、有限会社ホワイト介護です。認知症介護の理想を目指して2001年1月4日立ち上げた「北さんち」。現在は、居宅介護支援事業|ホワイト介護・認知症高齢者グループホーム|グループホーム北さんち(旭ヶ丘)・認知症高齢者グループホーム|グループホーム箕田の北さんち・地域密着型通所介護|デイサービス箕田の北さんち・認知症高齢者グループホーム|グループホームくじら・地域密着型通所介護| 長太の寄合所「くじら」・居宅介護支援事業|なのはなの7つの事業所を運営いたしております。

有限会社ホワイト介護 北 正美

大切にしている介護の考え方

認知症のある方とご家族のために、大切に考えていること。それは

ともに楽しむ
身体拘束しない
薬を使わない

認知症や認知症のある方のお気持ちを十分理解することで、これらを実践しております。

 

認知症介護で大切にしていること

認知症を起こす病気はさまざまですが、多くの場合は脳の病気であり進行していきます。有限会社ホワイト介護の事業所グループは「認知症とともに穏やかに過ごせるように、そして人生を豊かにできる生活を送るために自己選択・自己決定を大切に、一緒に楽しむ」を理念にしております。

 

 

有限会社ホワイト介護の認知症介護への取り組み

スタッフの言葉

職員の日常や認知症介護の考え方など、介護の心がまえについて日頃の経験をもとにお話をお伝えできればと思います。

認知症予防・介護教室

北さんち総合施設長の北正美は、自治体や団体・企業から依頼を受けて認知症の介護・予防・共生を中心としてテーマで講演・研修も行っています。

 

認知症介護への思い・事業の理念

人との関わりを大切にしています

認知症は病気ではありません

認知症のある方とともに過ごすために大切なことは「認知症は病気である」という思い込みから解放することです。

認知症は、脳の器質的な変性で起きるもので、コミュニケーション障害を伴うため日常生活に不自由ができてしまいます。これはご本人にとってとても不安なことです。ですから、認知症の人=病気の人だという意識は捨てるべきです。

不自由を不自由と感じない環境づくりから

介護する側が病院に行って行動・心理症状を先生に伝え、精神薬をもらい投与していては、その人らしさをだんだん失う悪循環しか招きません。

必要なことは、認知症のある方がコミュニケーションをきちんととれて、不自由を不自由と感じないような環境を整えることです。そうすれば不安を感じることがないのです。そして、もともとその人が持っていたその人らしさがだんだん回復していきます。

みんなで一緒に暮らしをつくる

仲間だけがコーヒーやお茶を飲むのではなく、職員も一緒に会話をしながらその時間を楽しみます。
利用者さん(仲間)、職員と分けるのではなく、ご縁があって同じ屋根の下で暮らしているので、一緒に暮らしをつくっています。

 

認知症のある方の気持ちに寄り添う

認知症のある方の気持ちに寄り添う

もうひとつ大切なことは、認知症のある方の気持ちに寄り添うことです。

介護する側の腰が引けてしまっていては、ますます意思が通じなくなってしまいます。介護者が寄り添うことによって、認知症のある方の気持ちがよりよくわかるようになります。お気持ちがわかってコミュニケーションがとれれば、その人の不安などの行動・心理症状が少しずつ消え去っていくのです。

これこそが、認知症のある方の介護の基本だと思います。

薬を使う必要のない介護とは

これは海外や日本で開発されてきた介護方法を私なりに研究したもので、北さんちではこの介護理念が実践されています。

「この方はみんなのためにご飯を作ってくれようとして冷蔵庫を見ているかも?」とか、「ベッドではなく床で寝ようとするのは、元々床で寝ていたからかも?」といったことがわかります。北さんちでは、理屈抜きにこの介護理念が実践されているわけです。薬を使う必要はないのです。これによって仲間の状態も改善しますし、ご家族も施設に来やすくなります。

 

「心からの笑顔」の力

長太の寄合所「くじら」(地域密着型通所介護)

前頭葉に働きかける笑顔

介護の現場では、笑顔がとても大切です。笑顔は相手の前頭葉に働きかけます。前頭葉は、感情や理性をコントロールするばかりでなく人間の脳全体の司令塔だと考えられています。そのため相手の「笑顔」という感情伝達は前頭葉に最も働きかけることができます。ですから認知症のある方に限らず、全人類に対して一番良い働きかけができるのは心からの笑顔なのです。

 

笑顔はイライラする気持ちを消す

心から私はあなたのことを思っています、と言う笑顔で人に接すると相手の前頭葉からセロトニンという神経伝達物質が出てきて「心地よい」という感情が出てきます。すると、さっきまで「ものを盗られた」とか「モノがなくなった」とイライラしていた気持ちがすーっと消えていきます。それを日常的に繰り返していけば、もの盗られ妄想といった症状も完全に消えていくわけです。

 

介護する側は、常に幸せであるべし

認知症ケアの技法「バリデーション」

私が参考にしているのはアメリカで開発された、「バリデーション」という認知症ケアの技法です。

その方の状態や性格、価値観や考え方などに加え、15の技法を組み合わせて関わっていくのですが、その中の大切な方針として、「相手の人格を尊重する姿勢をきちんと持つ」ということがあります。

介護する側こそがが常に幸せな気持ちに

仲間が感じている不安や他の行動・心理症状と向き合った際に、上手く寄り添うことができないと介護する側の心の中にもさまざまな葛藤が起こります。

「どうしたらこの方を救ってあげられるのだ」といった気持ちが起きたときにどうすればよいか。
鼻で静かに息をすれば良いのです。鼻の中は毛細血管がたくさんあって脳にいちばん近いところなので、そこから新鮮な空気を吸うことによって気持ちを静めることができます。3回静かに息をしてから相手に向き直れば、新鮮な気持ちで相手に接することができます。

介護する側が常に幸せな気持ちでいられなければ、相手を幸せにすることもできないはずなのです。

 

「何気ない日常」を大切に

長太の寄合所「くじら」(地域密着型通所介護)

「何気ない日常」の大切さ

私がモットーとしているのは、「何気ない日常」です。

北さんちには、吹き抜けの空間に薪ストーブがあります。暖かな炎のまわりには、自然に仲間や職員が集まり輪になって座り、ある人は隣の人とおしゃべりし、ある人は居眠りしています。

北さんちの基本は「何気ない日常」

ある時には、仲間から職員に「今日は私がご飯作ってあげようか?」と提案してくださいます。

そこから一緒に買い物して、お昼ご飯作りが始まります。「昔取った杵柄」、たとえ認知症が進行していたとしても、身体に染み付いている作業は手続き記憶という記憶で覚えています。今日のお昼ご飯は山菜おこわと味噌汁とお魚です。
みんなで手を合わせ、「いただきまーす」

そういう何気ない日常の風景がとても大切なのです。