認知症介護・予防講演・研修|認知症は恐くない

認知症介護施設として・利用者本位

徹底した利用者本位が認知症を和らげる

利用者の身体能力維持と自由意志のために

利用者が助けを求めるまでは助けてはならない

利用者本位とは利用者の意思を尊重することである。これは日常の介護にも必要で、特に認知症介護はこれ無しでは出来ない。

例えば、利用者が手を伸ばして机の上の湯飲みを取ろうとする。この時点で利用者が「取ることが出来ない」と判断すれば、「だれか 取って!」、、、となる。取ってと言わないで手を伸ばすのは自分で取りたいからで、それが利用者の意思である。だからそのとき 職員が「はいどうぞ」といって取ってあげてはならない。

利用者が自分で湯飲みを取り、お茶を飲めれば「見守り介護」となるが取れないときはどうするのか?
取れないとき、利用者は何度か取ろうと頑張る。そして自分では取れないと思ったとき、初めて回りに「取ってちょだい」と助けを求める。この時になって初めて介護者が 介入する(取ってあげる)。

何回も努力することが身体能力を温存に

この様に徹底した利用者本位が認知症を和らげ、利用者の身体能力を温存する。

利用者が立ち上がろうとする。立ち上がろうと何回も努力して、立ち上がる動作が止まるまで手を貸してはならない。安易に手を貸して立ち上がらせる介護は、利用者の身体能力と自由意志による決定を奪うことになる。

言葉による拘束「・・・・しましょうねー」

介護者が自分の思いどうりに利用者を動かそうとするとき、介護は破綻するような気がする。
猫なで声で「・・・・しましょうねー」と言うのは、自分の思いどうりに相手を動かそうとするテクニックではないだろうか。

子供に言うことを聞かせようとして、接するのと同じ理屈に思える。だから私は、施設などで猫なで声を聞くとぞっとする。これはすでに「言葉による拘束と利用者の人権差別」以外の何者でもない、、、と感じるから。